「 相馬愛蔵・相馬黒光 」


  • 一商人として――所信と体験――

  •  私は信州、妻は仙台、この二人の結婚の動機も、いま考えると不思議なところにあった。

    自分は早稲田を卒業後郷里に帰って、専(もっぱ)ら蚕業の研究に没頭し、ついにその研究の結果を記述して「蚕種製造論」なる一書を出版した。

    この書は我が国蚕業界の進歩改善に少しは貢献するところがあったと今でも自信するが、五版を重ね、全国蚕業家の注目するところとなって、その原理による蚕種を方々から頼んで来るようになり、私もその依頼に応じて、どうやら蚕種製造が私の仕事のようになった。


2006-12-16T12:45:53

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