「 海野十三 」


  • 一坪館

  • 「いいえ、それが源どん。

    あたしが途中で病気になったもんだから、樺太へは渡れなくて、仙台(せんだい)の妹の家に今までやっかいになっていたのさ」

2006-12-16T12:51:29

  • 敗戦日記

  •  角に消防署があるところで左へ曲って仙台坂へ出るつもりであるが、行けども行けどもその消防署が見えぬ。

    そこで心細くなって、右側にバラックを建てて住んでいる家へ声をかけて聞くと、ていねいに教えてくれた。

    「すっかり焼けて町の様子が変わっていますがな……」とその老人は元気な声で語った。


2006-12-16T12:46:37

  • 千早館の迷路

  •  第三に、四方木田鶴子が去る二十四日、上野駅から栃木県の那谷駅までの切符を手に入れて出掛けたことが分った。

    これは田鶴子がよく行く割烹料理店の粋月(すいげつ)から聞き取ったものであったが、この切符はその粋月の料理人の野毛兼吉が買って来たものであった。

    田鶴子は間違いなく二十四日の昼間上野駅を出発した。

    ところがその同じ日の夜、兼吉も暇を貰って郷里の仙台へ出発して、まだ帰って来ないという。

    しかし粋月の雇人の中には、兼吉も実は田鶴子と同じ目的地へ行ったんではないかと噂をしている者があった。


2006-12-16T12:40:44

Wikipedia:海野十三


海野 十三(うんの じゅうざ又はうんの じゅうぞう、1897年12月26日 - 1949年5月17日)は、日本の小説家、SF作家、推理作家、科学解説家。日本SFの始祖の一人と呼ばれる。本名は佐野 昌一(さの しょういち)。
徳島市生まれ。早稲田大学理工科で電気工学を専攻。逓信省電気試験所に勤務しながら、1928年、雑誌『新青年』に掲載された探偵小説「電気風呂の怪死事件」で本格的にデビュー。
シャーロック・ホームズをもじって名付けられたとされる帆村荘六を探偵役とする推理小説 探偵小説の連作でも知られているが、これらの作品もSF的なアイディアを用いた、いわゆるSFミステリに位置づけられるものである。